初夏の北海道、原生花園に野鳥を求めて


2002年6月29日 大洗-苫小牧
商船三井フェリー
待ちに待った北の大地への旅立ちの日を迎えた。
久しぶりに大洗からフェリーで出発。名物の
フェリーも時代の流れには逆らえず、経営が
代わったり航路がなくなったりと激動の時代を
迎えている。飛行機運賃もレンタカーもこれだけ
割安かつ便利に発展したのでフェリー利用客の減
少は時代の必然的な流れだろう。既に近海郵船の
東京-釧路航路が廃止されて久しいが、今年は商
船三井フェリーと東日本フェリーが提携して大洗
-室蘭航路が廃止された。その代わりに苫小牧航
路に設定されたちょっと便利な夕便を利用するこ
とにした。18:30に大洗を出発し、翌13:30に苫小
牧に着くという便だ。私はとても船酔いするタチ
なので予定を決めて以来憂鬱だったりしたが、薬
に一切頼らない主義を曲げて酔い止めを服用し
た。それが効いたのかでひどい船酔いはなかっ
た。船内にはハーレーを駆る外人さん部隊が乗っ
ており、約20時間の航行中に終始ビールを飲みっ
ぱなしなのが笑えた。

2002年6月30日 大平洋-苫小牧
商船三井フェリー
二等寝台で寝たような眠れなかったような気分で
目覚めると外は綺麗に晴れていて気分も明るく
なった。海鳥はあまり興味がないのだが、やるこ
ともないので双眼鏡をぶらさげて甲板に出てみ
た。あまり期待していなかったが特に目立った出
物もなく、船内に戻る事になった。カップラーメ
ンの昼食を終えると、港が見えてきて到着と下船
案内のアナウンスが流れ始めた。いよいよ上陸の
時。半年ぶりの北の大地に胸が高まる。ハーレー
の外人さん達は未だビールを飲んでいた。会話中
に随分Fuckという言葉が出ていたので、あまり育
ちが良くないようだ。船は予定通り13:30に到着
した。上陸後、間髪を入れずすぐにNTTを探し
た。妻が何だかチケットの抽選を申し込んでいた
結果をメールチェックしたいということでグレイ
電話を探すためであった。数年前にPHSを止めて
以来、すっかりモバイルに弱い環境になってし
まった。苫小牧のNTTを見つけるとさすがにグ
レイ電話があったので電話線をつないでモバイル
した。用が済めば本題の鳥見である。有名なウト
ナイ湖サンクチュアリに行ってみた。ここは評判
が良いが、実際はどうなのだろうと物見遊山的な
気分で歩いてみた。虫が多く、すなわち鳥も多い
ということがすぐに理解できた。鳥見には遅い
午後の時間だったのであまり期待はしていなかっ
たがそれでも多くの鳥達がさえずるここはまさに
サンクチュアリであった。本番は明日の早朝が勝
負ということで、写真を撮るつもりはなかった
が、コブハクチョウの親子などがいて多少シャッ
ターを押した。しかし、すぐに時間もなくなった
ので早々に引き揚げ今晩の野営地である美笛へ向
かった。今晩はお手軽にしゃぶしゃぶで行こう!
連れも異論はなかった。焼き肉もお手軽だがしゃ
ぶしゃぶもお手軽キャンプに好適だと思う。夜は
雨が降って来て明日の天気が少し心配だった。
コブハクチョウ親子

2002年7月1日 苫小牧-芦別-旭川
美笛キャンプ場
雨の朝を迎えた。美笛キャンプ場は完全に管理さ
れていてセキュリティ面は安心で一人数百円なの
でオススメ。ただゲートが開くのが7時なので、
この季節の自然観察のスタート時間を考えると
いささか遅い。親切な管理人にお願いして1時間
早くゲートを開けてもらった。キャンプでは一晩
中カエルの大合唱に悩まされた。雨音にも睡眠を
妨げられたが何といっても北海道取材なのだ!
寝坊はしていられない。何とか早くに起きだし
て、すぐにウトナイ湖へ向かった。誤算だったの
はなるべくウトナイに近いキャンプ場に野営した
つもりだったのだが、ウトナイから支笏湖までは
結構距離がある。また美笛地区は支笏湖に出てか
らかなり西へ走ったところにあるので、ウトナイ
-美笛間は40分くらいかかる。その道中に北大演
習林がある。豊かで広大な森はさまざまな生き物
達のオアシスとなっており、ヒグマも出るとか。
ウトナイに行く前にこの森へ寄った。お目当ては
クマゲラだったが既に子育てが終わって巣立った
後だったのでその姿を見つける事はできなかっ
た。早々に見切りをつけてウトナイ湖へ。スター
トが早かったので良い時間に到着。さすがに平日
だけあって駐車場に車はゼロだった。早速、昨日
確かめたポイントへ向かった。木道を歩いている
とキタキツネの親子に遭遇!彼等も木道を歩くの
は楽らしく、こちらを気にしながらも少しづつ近
付いて来る。それでも一定の距離になると逃げて
しまう。子供の方はおっとりしていて木道からこ
ろげ落ちるなど我々を笑わせてくれた。そんな光
景に出会いながらポイントへ着くと一番のお目当
てであるシマアオジを探した。昨日もそうだった
が長時間待っていてもさえずりもない。話に聞い
た目立ちたがりのノゴマ君だけが定期的にソング
ポストでさえずるのだった。ノゴマの撮影をしな
がらしばらく粘ったが、時間的な見切りをつけ、
出発した。苫小牧を後にし、一路旭川へ向かっ
た。この後の日程で道北一周の予定があるので旭
川はその拠点となるのだ。野営地をキトウシ森林
公園にし、テントを張ってから温泉に入った。昨
日のキャンプ場に比べるとここは必要最低限のも
のしかなく、温泉もひなびた感じが湯治向けのよ
うだ。さらに人工的に効能を導くトロン温泉との
事でその効能のほどは怪しいものだ。キャンプ
300円温泉500円。夜は旭川市内の師匠の家へ。
師匠自慢の家庭菜園を拝見しながらバーベキュー
をご馳走になった。師匠、最近はガーデニングに
傾倒するあまり写真を撮っていないとの事で困っ
たものだ(笑)バーベキューをいただきながらし
ばし談笑の後、キャンプ場へ戻り早めに休んだ。
師匠、またまたお世話になりありがとうございま
した。次の新作をお待ちしています(笑)
キタキツネこっこ
キトウシ森林公園

2002年7月2日 旭川-手塩-兜沼
よし乃のミソラ
早起きしてナキウサギのポイントへ出かけたが
午前中一杯頑張ったものの、鳴き声ばかりで写真
は撮れず、結局横切る姿を一度ちらっと見ただけ
だった。平日で他に人もいないので絶好の機会
だったのだが、残念な結果に終わった。昼食の時
間となったので旭川市内へ戻り『よし乃』本店で
みそラーメンを食した。ここのみそラは絶品で、
初めて師匠を訪ねた時に連れて来てもらい、その
味に感動したものだ。それ以来だから5年ぶりに
食すことになるが、その味は変わらず、初めて味
わった時の感動が蘇った。この店、みそラーメ
ンに関して私の食べた中では日本一である。何と
いってもこのスープ、濃厚でありながら油は控え
めでコテコテしていない。粉っぽい感じがたまら
ずピリ辛なのも歓迎だ。食べている内にタイ料理
の麺モノを食べているような錯角に陥る。おそら
くクミンかコリアンダーか何かカレーに絡むスパ
イスを使っているのだと思う。クセになる味、
ぜひ東京に出店して欲しいものだ。満足して時計
を見ると既に14:00前だったので慌てて市内を離
れた。今日の野営地は稚内近くの兜沼キャンプ場
で旭川からは200km以上離れている。北海道は何
回も来ているが、道北を回るのは初めてで今まで
の最北は美深どまりだ。初めての道を軽快に走っ
て北へ。観光している時間はなくノンストップで
駆け抜けた。調理の時間もないので仕方なく本日
はコンビニで弁当を購入。そんな食事でも一杯の
ビールがあれば何とか幸せだ。キャンプ場は鳥の
さえずりが凄く、夜はフクロウの声も。エゾセン
ニュウの声が一際賑やかで一晩中チョッピンカケ
タカと鳴くのには苦笑させられた。最初はホトト
ギスの声だと思っていた。キャンプ400円、風呂
300円。風呂は温泉ではなかったが、清潔を保てて
快適だ。
兜沼キャンプ場

2002年7月3日 兜沼-宗谷-小向
キャンプ場に現れたシマリス君
また早起き。撮影があるとのんびり寝ていられな
い。連日の5:00起きとなった。予想以上に朝の鳥
のさえずりが凄くて、ここで撮影しようかと惑わ
されたが、目的と違うのでさっさと出発の準備。
顔を洗っていると可愛らしいシマリス君が遊びに
やってきた。やはり良い環境にあるようで次の
機会にはじっくりと鳥見してみようと思う。キャ
ンプ場を後にしポイントへ。今日は大小の原生花
園を回るのだ。道内は花の時期で原生花園には
エゾカンゾウやアヤメ、ハマナスなど色とりどり
の美しい花が満開である。これらの花と野鳥を
組み合わせた写真を沢山撮るのが今回の取材の
テーマである。北の初夏は花も良ければ鳥も面白
くてキマユツメナガセキレイやシマアオジなど
地域限定ともいえる種類が見られる。特にシマア
オジはウトナイでフラれただけに何としても見た
い所だ。最初に訪れたポイントではツメナガセキ
レイやベニマシコなどは見られたがシマアオジは
さえずりも聞けなかった。多いのはノビタキやオ
オジュリンであまり華のある種類ではないが、
それでも花に絡めるとなかなか絵になるものだと
ファインダを覗きながら納得していた。カワラヒ
ワが道内どこでも多く、異常に増えているのでは
ないかと思った。2ケ所目のポイントは観光客が
大挙して訪れるうるさい場所だった。観光ツアー
のコースに入っているらしく観光バスがひっきり
なしに出入りしていた。そんな環境だし、ウトナ
イで話した方の話で観光地化されていて全然ダメ
と聞いていたが、私は自分の目で確かめないと
納得できない性分なので歩いてみる事にした。
ツアーの方々はガヤガヤ大声で騒ぎ、私が500mm
を構えていると、それもネタにして話している。
全く見せ物じゃないっつーの。今回の北海道は
プロ意識をもって臨んでいたので撮影に集中した
かった私はあまり愛想が良くなかった。なるべく
観光客の少ない方へ移動していった。と、その時
フルートの調べが...事前に予習してきたシマ
アオジの声だ!ほどなく彼は見つかり、少し遠い
ものの押さえ写真も撮れた。良く耳をすますと♂
は3羽いることが判った。シマアオジ、姿はそんな
に美しいものではないが鳴き声は秀逸だ。キビタ
キがピッコロならこちらはフルートといった趣き
がある。美しい花々に彩られた初夏の草原にピッ
タリの歌声だといえる。もっと写真をしっかり撮
りたかったが、時間が押してきたのでここを後に
し、宗谷岬を目指して日本海を北上した。最北端
でベタに記念写真を撮り、今度はオホーツク海を
南下。第3のポイントに立ち寄るとここも観光バス
が来る場所だった。シマアオジは見つからなかっ
たがオコジョを見る事ができた。夜はコムケ国際
キャンプ場に野営。妻の両親が合流し水入らず
キャンプとなった。両親は魚介類のバーベキュー
を用意してくれた。北海道は氷下魚が最高だ。
道北の原生花園
シマアオジ

2002年7月4日 小向-小清水-中標津
エゾシカ5頭
天気の良い朝。今回の計画は目星をつけたポイ
ント近くのキャンプ場に野営し、翌朝は早い時間
から撮影にかかる、という方針で決めた。この朝
も6:00前にはポイント入りした。ポイントは花の
楽園で一面に広がるハマナスの大群落が壮観だっ
た。生息する野鳥の影も濃く、期待が膨らむ。
朝飯前の小一時間の撮影のつもりだったが、撮影
に夢中になると1時間、2時間とあっという間に
時計の針が回っていた。他のポイントの事もある
ので一区切りつけてキャンプ場へ戻った。戻る途
中で5頭のエゾシカに出会った。♂は伸び始めの短
い角が印象的だった。車を止めると逃げるでもな
く好奇心満点の表情でこちらに注目していた。
朝飯はお父さんの特製カレーライスだった。朝食
後に家族と別行動を取り独りで移動。目星をつけ
ていた原生花園が今一つだったので朝のポイント
へ別の道からアプローチしてみた。すると朝のそ
れよりも遥かに大きな大群落が広がっており、し
かもちょっとした砂丘のようになっている、正に
ハマナス咲く丘が広がっていた。鳥も多く、既に
先に来ている愛好家がいた。聞けばここは知る人
ぞ知る撮影地なのだという。シマアオジも入って
いるとの事でほどなく♀を発見したが♂は出て来
なかった。しかたがないのでノビタキ、オオジュ
リン、ノゴマ、ベニマシコ、シマセンニュウ、コ
ヨシキリなどを撮影し、昼前に網走方面へ向け出
発した。道中、高名な小清水原生花園に立ち寄っ
たが、観光地として俗化した姿が悲しかった。
かつて花の楽園だったであろう原生花園は観光客
に踏まれる内に砂浜へとその姿を変えてしまった
ようで、もはや原生花園とは呼べないのではない
かとさえ思えた。実際、午前中に撮影していた
ポイントの方が花ははるかに多い。そちらには観
光バスは一台も来ないし、観光客自体全くみかけ
ないのだ。観光資源として自然を利用するのは
経済活動上、仕方がないことだとは思うが、十分
に保護する手段を確保した上で臨まなければ結局
ネタであった自然は破壊され、観光客は離れてい
く事になるので本末転倒なのだ。柵を設け的確に
木道を整備するなどが大前提だろう。この観光地
では野鳥も見かけられず、あまりの俗化ぶりに呆
れてすぐに出発した。今晩は連日のキャンプから
解放され、シマフクロウの宿に宿泊する。昨年の
9月に初めて見たシマフクロウの荘厳な神々しい姿
を再び見たいと思った。もちろん、この宿は食事
も良ければ風呂も良く、それだけでも満足ゆく
内容なのだが、それに加えて高い確率でシマフク
ロウが見られるのだから最高だ。宿は改装したと
の事でロビーの風景が一変していた。何となく以
前の方が良かったように思えるが慣れればいいの
かも知れない。温泉にがっちり浸かり、食事を日
の入り前に終えてフクロウを待った。この夜も数
回姿を見せてくれて、前回の露出データに基づい
てマニュアル露出であたふたすることなく、前回
よりも高画素で記録することができた。早い時間
に写真は撮れたのだが、より良い写真を!と0:00
まで粘ってしまい、翌朝も5:00に起きたので折角
の高級旅館への宿泊なのに身体が完全には休まら
ない状態になった。しかしながら、その代わりに
大きな精神的充足が得られた。
道北の原生花園
シマフクロウ若

2002年7月5日 中標津-野付-厚床-霧多布-厚岸-釧路-帯広
野付で見かけたエゾシカ
5:00起床。早朝に宿の周辺を見回って、前回のよ
うにフクロウを見つけようと思った。さえない天
気で雨もぱらついていたが、宿の名物ハスキー犬
一ちゃんが案内してくれた。しかしフクロウは見当
たらず、鳥の影も少ない。後で考えてみるとこの
時期の北海道の日の出は何と3:00台なので、少なく
とも1時間は早く起きなければ本当の意味の早朝で
はないのだった。宿を早々に出て根室へ向かった。
春国岱でクマゲラを撮影しようという計画だ。
その道中、野付半島に寄ってみた。この細い半島
の先端には原生花園があってシマアオジでもいな
いかなと期待していた。天気は相変わらず良くなら
ず、霧が出たり雨がぱらついたりで肌寒い朝だっ
た。鳥の出はかんばしくなかったが、半島の先端に
向かう途中にはエゾシカが草を食べていたり、タン
チョウのつがいが何組か沼に入っていたりとこの
地の生態系の濃さを象徴していた。先端部は以前
と少し変わっており、トドワラまでだった道路が
少し延長され、灯台の手前まで行けるようになっ
ていた。原生花園にはハマナスを始めとして道内
各地でこの時期に見られる花が咲き誇っていたが、
見かける鳥の種類は他と大体同じようなもので、
特に変わったものは見当たらなかった。期待してい
たシマアオジも見つからなかった。天気も良くな
らなかったので歩くのは止めて、春国岱へ向かう
ことにした。帰りにタンチョウのつがいを少し
撮影した。一番近いものは20mほどの至近距離で
この時期としては珍しい警戒心の薄さだった。
おそらく冬場は鶴居村のサンクチュアリで餌を
もらっていたのだろう。野付から風連を通って
根室方面へ向かった。その道中も雨が続き、天気
は全く回復の兆しも見られない。これでは春国岱
での鳥見もあまり期待できそうもないということ
で釧路方面と根室方面の岐路、厚床で帯広へ戻る
事を決断した。そのまままっすぐ戻るのも面白く
ないので途中、霧多布をのぞいてみることにした。
霧多布湿原は来週エゾカンゾウ祭りがあるとの案内
が出ていたのでちょうど花が見頃と思われた。
湿原に出てみると確かにエゾカンゾウの大きな群落
があり、花の密度は他よりも濃い。しかし所詮は
観光地。あまり野鳥の姿はあまり見かけられないの
だった。その後、あやめ平へ行ってみた。こちらも
ちょうど花の旬の時期なので何か野鳥とアヤメを組
み合わせて撮りたいと思った。ところが、着いてみ
ると旬のはずのアヤメが蛾の幼虫にやられて開花し
ていないとの事で、旬どころか花が見られない残念
な状況だった。地元観光関連産業への影響が心配さ
れる。昼時でお腹が空いたので厚岸へ。何回も北海
道に来ながら未だ食していない厚岸のかきめしを食
べてみようと思った。しかし厚岸駅の売店に行くと
少し前に売り切れたという。駅前の氏家さんに行っ
てみてとの事で、製造元を訪ねたがこちらも完売。
がっかりしながら目についた駅前の食堂、浜のれん
へ。かきメニューが揃っている中からかき丼を頼ん
でみたが、これが正解だった。かきフライを玉子で
とじたどんぶりで、とても美味。あさりの味噌汁が
つくのも嬉しい。900円也。すっかり満足して帯広
への帰路へ。途中、冬場にフィールドにしている場
所をロケハン。そこには今までで最大のハマナス
の大群落が広がっていて、この地の植生の豊かさを
象徴していた。カッコウが数羽入っており、ノゴ
マ、オオジュリン、ノビタキ、ベニマシコなどレ
ギュラーメンバーが多く入っていた。シマアオジ
らしい姿も目にし、明日の撮影地をここにするこ
とを決めるのに時間はかからなかった。何だか車で
走ってばかりの1日だった。
野付にいたタンチョウつがい
厚岸、浜のれん
ハマナスは今が旬

2002年7月6日 帯広近郊
私のフィールド
昨日、ロケハンしたポイントへ早朝から出かけ
た。雨こそ降っていなかったものの、相変わらず
すっきりしない天気で、しかもポイント周辺は霧
もかかっていた。広大な花の楽園の中で特に花の
状態が良い場所を探し、鳥を待った。ノビタキや
オオジュリンは活動的で良く姿を見せてくれるが
なかなか良い場所にはとまってくれないもので、ど
んどん時間ばかりが過ぎてゆく。その後、かな
り良い状態の花を見つけ、しかもバックの抜けも
あって邪魔な枝などがない構図で待っていると
ノゴマ君がサービスしてくれて狙った構図に入っ
て来たので、まさにシャッターチャンスとばかり
連写した。野鳥の写真を今まで撮って来て、初め
て狙って『撮れた!』と思った瞬間だった。今回
の一連の撮影、最初は花の色が入っていればそれ
で満足していたが、撮影データを確認している
と、花の状態が悪い、花のない枯れ枝が気にな
る、バックがうるさいなど悪い点が目につき、
より良い写真を目指して、どんどん自身に課す
チェックポイントが増え、エスカレートしてき
た。必然的に鳥が近くにいても花が入っていな
いと撮らないし、入っていても条件的に悪い点が
あれば撮れなくなってきた。逆に言えばそれだけ
勉強になったとも言える。こういう経験を積んで
いくうちに『撮らない機会』が増えてゆくのだろ
う。今後は花や緑、紅葉や雪などを積極的に絡め
て撮影してゆくことになりそうだ。とにかく6月〜
7月初旬の北海道は大オススメである。その際は有
名な探鳥地にとらわれず、自分自身でフィールド
を開拓するのがベストだと思う。名もない原生花
園がそこここに点在しているのだ。そして、誰も
いない静かな花の楽園に身を置きながら写真を
撮る至福の時は何にも変えがたいものだ。
ノゴマ

2002年7月7日 大樹方面
たまたま見つけた真新しい観察施設
天気が悪いので久しぶりに8:00過ぎまで睡眠をむ
さぼった。外は雨がぱらついており、撮影できる
コンディションではない。しかし部屋でくすぶっ
ているのも勿体無いのでロケハンに出かけた。
十勝の周辺をくまなく周り、穴場を探そうと思っ
た。地図にない道などを走り回り、タンチョウが
入っている名もない沼なども見つけたが、結局は
いつものフィールドを超える花の楽園は見つから
なかった。それよりも開発が進んで自然が破壊
されているのが嫌でも目につき、近い将来に観光
資源になるであろう自然を、勘違いテーマパーク
や住宅地造成でわざわざ破壊して本末転倒になっ
ている愚かさを憂えた。土建屋に金を落とす必要
があるなら破壊でなく植林で落とせば良い。それ
なら北海道経済の構図も否定はしない。自然への
関心は誰にでも潜在的にあるはず。どう興味を持
たせるかを考えれば良い形になるはずだ。

2002年7月8日 帯広近郊
幻の橋
明日は苫小牧へ向かい、夕方にはフェリーに乗ら
なければならないので、実質的に今日が最終日。
天気は今一つだが、雨は少ないようだったので、
思いきっていろいろと走り回ってみた。早朝、
市内に残された森を歩いた。周囲は比較的に広い
森が広がっていたのに、今は新しい道はできるは、
宅地が造成されるはで森が失われていたのには
瞠目した。これも宗男の所業の影響か。そういえ
ば近くにはやまりんがあったっけ...かろうじ
て残る森にはセンダイムシクイが多く、地鳴きを
真似て口笛を吹くと近くまで寄って来るのが愛ら
しい。クマゲラは期待したものの空振りだった。
その後、然別方面へ。ルピナスの群落を探しに
行ったり、ダムの水量が少ない時期のみ現れる橋
を観に行ったり、ナキウサギを撮影しに行ったり
した。ナキウサギのポイントは平日という事も
あってか誰も来ていなかったが、雨にたたられた
ので帰る事にした。決して昨年ここに現れたヒグ
マに臆したのではない。しかめんでごぼう天そば
を食べて帯広へ戻った。少し物足りなかったので
いつもの森へ出かけてみるとエゾリスが3匹、シマ
リスが1匹いた。森にはやはりセンダイムシクイが
多く、子育てに追われている様子が観察できた。
しばらくエゾリスと遊んだ後、さらにちょっとし
たポイントへ移動し、軽快に歩いていたつもりが
足を滑らせてあまり綺麗ではない沼へ落ちてし
まった。最後の力をふりしぼって機材は守ったが
下半身と右上半身がズブ濡れになってしまったの
で引き上げることにした。結局、午後は洗濯と靴
洗いで時間を取られてしまった。結局、十勝では
天候に恵まれないまま終わってしまったがロケハ
ンはばっちりで次回、この時期に来る際はお気に
入りのポイントへ迷う事なく飛んで行ける。あ、
ショウドウツバメの集団営巣を見忘れた!
エゾリス

2002年7月9日 苫小牧-大洗
サクサクカプチーノ
最終日、今回もお世話になった帯広の両親に挨拶
して苫小牧へ。もちろん六花亭に立ち寄り大量に
土産を購入した事はいうまでもない。六花亭で変
わったのはポイントカードの導入。今までは5月
中旬〜7月下旬にかけて買い物をしてスタンプを集
めるとオリジナル食器やタオルなどをもらえる
セールを毎年やっていたが、夏休みの観光シーズ
ンのピークにはセールが終了していた。それが今
回からポイントカードが導入され通年買い物をす
るとポイントがつき、ある程度たまるとオリジナ
ルグッズがもらえるという形に変わった。いろん
な季節に六花亭で買い物をする私としてはありが
たい変更である。新製品では『サクサク』シリー
ズにサクサクカプチーノ『霜だたみ』が登場。
カプチーノ風のコーヒーチョコをシナモンパイで
サンドした小さな焼き菓子で、特殊な乾燥剤の
効果でシケらずにいつでもサクサクの食感を楽し
む事ができる逸品だ。買い物を終えて出発。
苫小牧に夕方にいれば良いのだが、何が起こるか
判らないので時間に余裕をもったほうが得策とい
うことでどこにも寄らずに清水・日高経由で苫小
牧方面へ向かった。途中、昼食に立ち寄った日高
の蕎麦屋は秀逸な内容だった。店の名前を失念し
てしまったが、国道沿いで真新しい手打ちそばの
店を探せば見つかると思う。帰路、心配だったの
は台風。きわどいタイミングで船が先に大洗に着
くという計算だったが、台風の速度や進路は随時
変化するので直前まで判らない。航行するにして
も海が荒れて揺れるのはしんどい。幸いにも何と
か天候が荒れる前に到着することが出来て、無事
に東京へ戻った。今回の旅では花の季節の北海道
を堪能することができ、多くの発見があった。来
年は6月の半ばを目指してこの良い季節を再び楽し
みたいと思う。次は再び冬の冒険を検討している
商船三井フェリー