過去の北海道撮影行


2005年02月10日 偶然の出会い
出航前
懲りずに再び北海道の地へ。今回は海外から
撮影に来ている各国の動物写真家に会い、契約
の話をするという仕事(という名目の鳥観)での
渡道。行きのフェリーは前回に引き続き夜便に。
移動のロスを最小限にするためにギリギリまで仕事
をした後で、そのまま大洗へ向かい乗船するという
シフトが最も日程を生かせる。今回この船でたまた
ま友人と一緒になった。偶然、ワイバードさんのツ
アーと一緒になり、講師を務めるのが友人だったの
だった。ワイバードの山本社長にご挨拶をし、ビー
ルを少し呑みながらツアー目的地方面の現況や
計画などのご相談を。ワイバードさんのツアーは
マナーを遵守されており、山本社長のお人柄にも
敬服しているので、現地での可能な限りのご協力
をお約束した。友人の個室に入り浸り、いつもより
もいろいろな話ができた。貴重な良い偶然だった。

2005年02月11日 講師という仕事
航路での観察
明くる朝、友人の、講師の仕事が始まった。いつも
は脳天気で明るい友人がいつになくシリアスになっ
ていた。それはそうだ、今回は趣味道楽で鳥を観る
のではなく、仕事として観るのだし、顧客の対価に
なるいろいろを提供しなければならない。フェリー航
路の海上での観察は難しいものがある。地味な海
鳥ばかりだし、それも距離が遠く離れているのがほと
んどなので、感じやすい収穫が少ない。しかも、今
日は風があり、体力的にもしんどいものがあった。
参加者は身体が冷えるたびに船内へ戻り、休憩し
ては再び甲板に出るという繰り返しだったが、講師
は休むわけにはゆかない。友人は強風の吹く甲板
に立ち続けた。雪混じりになり、それが海面から吹
き上げてきても立ち続けた。休憩は短い食事など
だけで15分も取っていなかった。仕事とはいえ、凄
い根性だと感心させられた。たまにウミガラスが遠く
を飛んでゆくのが観られ、ツアーに華を添えた。甲
板に立ち続けること約10時間、日が暮れるとすっか
り冷え切った彼が船内に戻ってきた。お疲れ様!
苫小牧に上陸後は鳥亭で一献。birrrdさんや写
真家の坂東さんご夫妻も見えて賑やかな夜に。

2005年02月12日 空振りのち吉
カササギ
早朝、ある使命を背負ってbirrrdさんと共に遠乗りし
たが、思い切り外してしまった。お目当てがいなくて、
必然的に使命を果たせずに引き上げた。帰路、
birrrdさんがカササギが思い切り目線で至近距離で
リラックスしているのを見つけてくれ、国道にも関わら
ず停車して車中から撮影(もちろん、交通の妨げに
ならないよう縁石に寄せて、こういう時には北海道の
道路の道幅を頼もしく思う)。今までカササギは人工
物にからめてしか撮れなかったので、これは嬉しかっ
た。その後、ユキホオジロを狙って現場へ。既に
15:00を過ぎていたのでどうかと思った。着くなりコミミ
が舞っているのを確認。遠いので写真機も出さずに
その場を去り、ユキホを探す。日も傾いていて、これ
は遅かったかなと思ったその時、電線に7羽のそれを
発見!一昨年はもっと多い群れだったが遠かったし
、昨年は近かったけど1羽だけだったっけ。1年ぶりの
再会がとても嬉しかったし、とてもめんこくて好きな鳥
なので狂喜乱舞してしまった。夜は近くの温泉に入
りビールを呑んで車中泊。車中で写真を整理してい
たら、ユキホの写真の周囲に粟らしきものが写ってい
て頭に来た。誰かわからないが餌を撒いたのだ。しか
も、雪上に足跡がついている。なんもこんなことしない
方が良い写真撮れるしょ!
ユキホ

2005年02月13日 群舞を狙って
ユキホ、ツメナガホ
明日は羅臼を目指さなければならないというのに、
再び昨日の場所で撮影に取り組むことにした。ユキ
ホの大群がいるという噂を耳にしたし、ぜひ群舞の写
真を撮りたいと思った。朝一番に現場へ入ると昨日
は7羽だったものが9羽に増えていたが噂の大群は見
かけられなかった。その内に9羽の群れが飛び回って
いる所に突如として30ほどの群れが合流し、大群と
呼んで良いレベルになった。しかしながら、すぐに遠く
へ飛んでしまい、ある一定の距離になると見失ってし
まうのだった。一生懸命探し、一緒になった方に教
えて頂いたり、自力で見つけたりしている内に至近
距離まで寄せることが出来た。ゆっくりとレンズを群れ
に向けると...あらら?!ツメナガじゃん!ユキホの
大群だったと思い込んでいたそれはツメナガホオジロ
の群れだったのだった(^^;あらららら???困惑しながら
、知り合いと顔を見合わせる。そういえば飛んでいる
姿は真っ白ではな黒ぽく見える時があった。少しは
経験も積んできたはずなのに、先入観という大敵に
はまってしまったのだ。まあ、でもツメナガホだって内
地ではあまり観られないし、撮っておこうと撮影。それ
でもビジュアル的に魅力的なのはユキホなので、再び
ユキホを探す。やはり群れは9羽で、餌付け親父の
影響かとても警戒心が薄く、かなり至近距離で車か
ら降りていても平気だ。しかし、不自然な状況だし、
やはり餌撒きした場所に降りることが多く、あまり嬉し
くない状況だ。ツメナガホとユキホのコラボレーション
群舞などに見とれていた今日は多くの道内の知人に
会うことができた。しまふくろうさん、まささん、birrrdさ
ん、ざきさん兄弟、ブラジルさん、などなど。今日は
鳥も人もビッグデイだったのだ!夢中になる余り時間
が経つのを忘れていてほっき飯を食べ終わったら
15:00だった。明日は羅臼まで行かなければなので、
友人たちに暇乞いし車を淡々と走らせること4時間
半。釧路手前で車中泊することにした。到着が遅か
ったので、お目当ての道の駅の豚丼を食べ逃したが、夜はもちろん鍛高譚を寝酒に。

2005年02月14日 ワイルドライフ・バレンタイン
人懐こいオジロワシ
釧路で鳥を観てから、一路羅臼へ。羅臼には友人
と海外から写真家が何人か来ていて、ここでは仕事
となった。羅臼までの途上、道東のポイントを何箇
所か回ったが、やはり冬の小鳥はふるわない。例の
極東森林火災の影響だとすれば、かなり深刻なこと
になっているようだ。北へ向かう道中、国道沿いにオ
ジロワシを見つけ、少し撮影させてもらった。不思議
なことにこのやつはとても人懐こいのか、車が近づい
ても逃げないし、車から降りても逃げなかった。羅臼
へ入ると、一行がウトロから戻っていなかったので、
温泉に浸かり、彼らを待った。彼らが戻ってきたのは
やっと20:00頃。久しぶりに英会話となり、楽しい夜
が更けていった。

2005年02月15日 アラスカの写真家との撮影、北見の友人
朝日とオオワシ
早朝、アラスカの写真家、Tom Walkerさんと共にま
るみのワシ船に乗った。流氷はまずまずというところ
で、写真はそれなりに撮れたが、餌を撒いて海ワシ
を呼ぶわけで、どうなんだろか?と少し疑問が。ただ
、ここらの海ワシはほっちゃれや漁がある内はそれに
依存して生きられるが、その後の今時期は餌が採
りにくいだろうし、保護的な給餌なのかなぁという気
もするし、そんなことをしなければしないで餌のある
地域へ移動すると思うので、なかなか答えは難しい
なぁと思う。船から上がり、少し陸のワシを観てから
友人たちと別れ、一路オホーツクへ。途上、birrrdさ
んから『ユキホ200以上が出て祭りとなりました』との
連絡があり、道東の最果てでそういう話を聞かされ
ても遠くて行けない...いいなぁ...と。その大群
を想像しながらオホーツクへ入った。念願のばいか
ださん、いいずなさんとの初対面が待っていた。オホ
ーツクはまだ小鳥が少なかったが、やはりハギマシコ
などはそれなりだった。夜はばいかださん宅に泊めて
もらい、たいしたお世話になってしまった。ポン太も
虎太郎君も可愛かったっけなー。またまた良い時間
が過ぎていった。

2005年02月16日 ユキホ祭り
ユキホ群舞
総合的に判断して大返しすることにした。お世話に
なったばいかださんに暇乞いし、ひたすら南へ走った
。祭りが待っているのだ。もちろん、それは雪祭りでも
氷祭りでもオーロラ祭りでもない、ユキホ祭り。朝8:00
前にオホーツクを出て、正午に会場に到着!ついに
念願のユキホオジロの大群に出会うことができたのだ
!その数、200+。左に右に、飛翔する方向を変え
るたびに群れは白くキラキラと輝き、壮観だった。この
光景、白い嵐とでも表現するべきだろうか。時折、ハ
イイロチュウヒやハイタカ、コチョウゲンが群れに襲いか
かり、折角の大群が散開してしまったりすることが何
回かあったが、いつの間にかそれらが合流していて再
び凄い迫力の乱舞を見せてくれる。夜はこの状況を
見つけ、知らせてくれ、一緒に堪能したbirrrdさんと
共に祝杯をあげた。

2005年02月17日 祭りは続く...
ユキホの群れ
昨晩から雪が降り、積雪で地面での採餌は困難に
なっているかなぁという予想は概ね当たり、昨日のユ
キホの大群は広範囲を移動しながら、主に草につい
ていた。合流した大群はやはり200+で、草に何羽
も同時についていくと草が重みに耐え切れなくて垂れ
てゆくのが面白かったし、反面、これだけの数が狭い
範囲に集中すると、何だか鳥類というよりも昆虫的
な光景に思えた。暗くなるまで祭りを楽しみ、一路、
十勝へ。道内に入って1週間近くなるのにあちこち転
々として帯広へ帰っていない。帰路、純子さんの家
にお邪魔し、数々のご馳走をいただいている内に転
戦の疲れが出てきて、泊めてもらうことに。そうと決ま
れば一杯!ほろ酔いで鳥談義に華が咲き、2時近く
まで夜更かししてしまった。また楽しい時間だった。


2005年02月18日 災難と良い時間と
アラナミキンクロ
純子さんと共に南へ。いろいろな鳥を探しながら、
えりも方面を目指した。途中、大変な災難に見舞
われたが、まあ交通事故に遭わなかったと思えば大
した問題ではないかなと(苦笑)。その後、アラナミ
キンクロをがっつり眺めながら昼食&コーヒータイム。
風もなく穏やかな十勝晴れの一日で、とても良い
日だった。なんで、このやつがここにいるのだろう
...とおもしがりながら、少し日も傾いてきたので
帰路へ。道内に入って一週間、やっと我が帯広へ
帰ってきた。明日からは天気が今ひとつのようだが、
まあまあ、のんびりするべやと気楽に行きたい。

2005年02月19日 カモセンサスお手伝い
シマエナガ
18度。木々に霧氷がつき雪が静かに舞う美しい朝
を迎えた。しばれの中でシマエナガの群れを見つけ
、しばし撮影。じっとしていると何回も目の前までや
ってきてくれて、その愛らしい姿をまじまじと堪能する
ことができた。今日はお世話になっている池田さん
の手伝いでカモセンサスに参加させていただいた。
参加者は約10名。手分けして地域を分担し、それ
ぞれの受け持ち地域のカモを数え、それ以外に観
察された種も記録する。これがそんなに簡単ではな
い。担当した地域は慣れ親しんだ場所だったが、
橋から橋までの距離がかなり離れており、川霧が邪
魔をするし、カモたちは護岸スロープに上がって眠っ
ているので識別が困難だし、少し近づこうと堤防に
出ると対岸は見えるものの、手前側が死角になる
し、で大した苦労した。でも、コンビになった人が
小学生の頃から20年以上鳥を観ているベテランで
ほとんどの種のカウントをお願いしてしまった。終わっ
た後で池田さんに、雌の識別のポイントを実物を
観察しながらレクチャーしていただき、的確なアドバ
イスにすっかり納得してしまった。それと同時に自分
は今までカモを眺めていただけで、観ていなかったな
ぁと反省させられた。次回も来帯と日程が重なれば
ぜひ参加させてもらいたい。

2005年02月20日 降雪に泣く
おつけものランチ
昨晩から降り始めた雪はしんしんと降り積もった。
朝、外に出てみるとすっかり車も道路も埋もれている
上に雪は降り続き、降雪量が多いので視界も悪かっ
た。昨日までの風景は別世界のように白く変わり、
予定されていた自然観察会が中止となってしまった
。雪深い真っ白な光景は十勝らしくなく、視界不良
で移動が危険なので撮影も断念せざるを得なかった
。それならそれでのんびりしようと決め込み、家族と共
に十勝川温泉のホテル大平原へ。温泉に入り、冬
季限定のおつけものランチを楽しんだ。このランチ、と
ても美味かつお得で12種類もの漬物とご飯(いなき
びご飯もあり)につみれ鍋、茶碗蒸し、十勝産金時
の煮豆、百合根と海老のかき揚げ、最後にお茶漬
けが出て、さらにデザートとコーヒーまでついて1,050円
となっている。ちょっと食べきれないくらい盛りだくさんで
、美味しくて、この価格はお得。さすがに食べ過ぎた
ので、帰宅後は少し腹ごなしするためにスノーシュー
を履いて歩いた。折り返し点では一羽のツグミがリラ
ックスしてこちらを眺めていた。『いやぁ、(積雪が)ひ
どいねぇ』そんな想いは彼も私も一緒なのかも知れな
い。その後、毎年来ているアメリカヒドリに対面し、1
時間ほど歩いて帰ってきた。夕方には雪は止み、明
日は晴れるようだ。
アメリカヒドリ

2005年02月21日 旅の総括
シマエナガ
朝9:00、お世話になった帯広の両親に暇乞いし、
一路南へ。えりも回りで昼に浦河に到着し、まささん
と彼女と待ち合わせして昼食を食べた。今回の旅で
はあまり二人との時間がなかったのだが、帰り道とい
うことで昼食でも?という提案に快く乗ってくれたのだ
った。その後、余った時間で少しだけ探鳥したら4羽
のシラガホオジロに出会った。そんな素敵な時間はあ
っという間に過ぎ、次回の来道までしばしの別れとな
った。帰路、ユキホオジロの群れを探しながら走った
が二度とは見かけられなかった...
夜の苫小牧、シアトルズベストで今回の旅を総括。
旬の小鳥は全般的に不調だった。その状況の中、
幸運もあり、不運もあった。人との出会いに恵まれ、
今まで以上に多くの人に助けられ、支えられた旅だっ
た。全ての友人達に最大の感謝の気持ちを捧げた
い。このライフワークは決して自分独りでは成立しな
い。自分もまた友人に対してはできる限りのことをし
てゆきたいと心より思う。