過去の北海道撮影行


2005年06月11日

北海道の素晴らしさをBirdBirdさんへ

出航前の運転席

公私共にいろいろとお世話になっているBirdBirdさんご夫妻には日頃から北海道の良さをお話していたが、今回ついに二人の初めての北海道遠征が実現する運びとなった。初めてで何かと不案内だろうし、短い日程で北の魅力を堪能してもらうために自分はナビゲーター役として同行させていただくことになった。大洗に到着し、トランシーバーを準備。車複数台でのやり取りには最適な道具となる。車検上がりの車はピカピカで走行距離は66,800kmほど。今回の旅ではどれくらい走ることになるだろうか。天気は?鳥の状況は?花の状況は?道内をどのように回る?一杯やりながらの楽しい船上作戦会議の夜が更けていった。


2005年06月12日

航路での発見と苫小牧上陸

シマセンニュウ

今まで航路で観察を試みてもあまり面白くなかったので、今回も双眼鏡くらいしか準備をしていなかったのだが、フェリーが初めてのBirdBirdさんはしっかりと写真機材まで準備していた。甲板に出てみるとアザラシが何頭か浮かび、イルカが群れで飛んでいるのを観察できた。そして、撮影機材がとても有益だったのは船の甲板に乗っている小鳥を発見した時だった。コヨシキリとシマセンニュウが船に乗っているのを見つけ、それを記録することができたのだ。以前から似たような話はたまに耳にしていたが、実際に自分たちで見つけていろいろ観察できたのは勉強になった。いつから船に乗っていたのか?一羽、衝突が死亡原因と思われるコヨシキリの死骸を見つけたが、夜の内に甲板に降りたのだろうか。いずれにしても彼らが毎シーズン渡りにフェリーを利用しているとすれば無賃乗船、ではなくさしずめ移動する離島で休息しているわけで、極めて合理的な行動といえる。苫小牧到着前に再度確認しに行くと、2羽は既にいなくなっていた。苫小牧上陸後の天候は雨で気分は↓。さらに予想以上に気温が低く、半袖のシャツばかり持ってきたことを強く反省。ユニクロでフリースを買ってくる?なんて話も出たが、この時期に売っているかわからないし、売っていたとしても買うのがなんとなくシャクである。雨はさらに激しくなり、二人は傘をさしながら、自分はゴア博士の発明に驕って身体を冷やしながら何時間か待った。いつものお約束通り、自分がトイレから戻っていると真横をクマゲラが飛んでゆき、妙に納得しながら足早で戻った...とにかく目的のクマゲラを観てもらう事ができて一安心。夕方にはbirrrdさん、まささんが来てくれていつもの焼き鳥工場で一杯楽しくやった。BirdBirdさんはまささんとは東京で会ったことがあり、birrrdさんは初の対面だったがこうして北の大地で再会と出会いの時間があることが素晴らしい!

photo by M.Noguchi

2005年06月13日

雨雲と同行する

予報に反して雨は上がらず、気分は↓のまま→だった。天候と各地の状況を鑑みて予定を変更、大移動した。雨から逃げるつもりで東進したが、タイミングよく(悪く)雨雲と並走することになり、雨と共に移動しているような状況に。いくつかのポイントへ寄るとエゾフクロウ(親鳥)を見つけることができて、また一種初見を提供できた。すぐ真上を飛び回るオオジシギの賑やかさ、ひょうきんさを笑い合いながらさらに車を走らせた。山脈を越え、我が十勝へ入っても雨雲は付きまとってきて多少雨もぱらついたが、しばらくするととりあえず曇りベースに落ち着いてきた。ロケハンで各ポイントを回り、ノゴマ、クロガモ、ニュウナイスズメなどのライファーを得ることができた。BirdBird夫妻は初めての北海道なのだからライファー連発は当然のことではある。道中、キタキツネやエゾシカなどの四つ足も登場してくれて北の雰囲気を盛り上げた。さらに歩を進めるとタンチョウがいたし、シマセンニュウやオオジュリンも登場。もちろんライファーだけでなく、内地では山に行かなければ観られない種が平地で普通に観られることや内地の冬鳥の夏羽と繁殖を実際に自らの眼で確認し、二人は感激していた。確かにベニマシコの夏羽の赤なんてとても美しいなぁ。ブラキストン線を越えた緯度の高い地域ならではの特色の数々。各ポイントを回っていると時間はどんどん過ぎてゆくが、日が長いので使える時間はたっぷりあった。四つ足も含めて観察種は多く、長距離を移動した甲斐があった一日だった。


2005年06月14日

北の良い所をどんどん!

お気に入りの森をご案内し、草原性と森林性の鳥をいろいろと観てもらった。ノゴマ、ベニマシコ、キバシリ、ゴジュウカラの子育てなどを観察。その後も二人が待望だったシマエナガの子育てなど贅沢な鳥観ができて一安心。自分には既に当たり前になっているこちらのいろいろの存在であっても二人には観るもの全てが新鮮で楽しいのだという点を意識した。シマエナガ...実は自分もこの時期にシマエナガをじっくりと観る機会は初めてだったが、幼鳥に2タイプあることが興味深かった。それは虹彩が赤く太い過眼線があるタイプと成鳥のような姿で若干黒い部分が残っているタイプの2種。それらが一緒に固まっていて成鳥からの給餌を待っているのだ。自分なりに考察したのは、おそらくこれは2つがいの幼鳥が一緒に固まっているもので、タイプの違いは成長段階の違いではないか。エナガの子育てヘルパーは有名なので、別々のつがいが一緒に子育てすることだって自然である。もう少し資料を調べてみよう。こんな調子で夕方まであちこち移動していろいろを楽しむことができた。夜は平和園に行き、最近なぜか今さらブームがしかけられているジンギスカンで一杯。鳥もさることながら、こちらの食の楽しみも味わってもらいたい。しかしながら、この時期は夜がなく、夕方まで鳥を観ると早めに寝て3時〜4時には起きていないとすっかり日が高くなっていて出遅れてしまう。昼食だって、時間がもったいないのでコンビニ弁当で済ませるのが得策。折角なので観光もしてもらいたいと思いつつ、やはりとりやは鳥優先という方針で動くことにした。案内役としてすっかりリラックスモードの自分は油断して裸足にサンダル、半袖シャツで街を歩いたがとても寒かった。今年は特に低温が続いており、いろいろが遅れていると聞いていたがそんな状況を体感しながら明日の計画を練り直した。


2005年06月15日

北へ!

状況に合わせて計画を臨機応変に動かし、4:00集合でオホーツクへ。いよいよ二人が最も楽しみにしていたイベントの一つ、原生花園巡りに突入した。3時間ほど車を走らせ、コンビニで朝食と昼食を買い込み、いざ現場へ。ところが到着してみると色がなかった。花が咲いていないのだ。咲いているのは唯一センダイハギくらいだった。訪れる時期が例年と同じなのに色がないのだから低温続きで花が遅れているのは明白だった。花々のスケジュールの変調は激しく、この段階でも桜の開花宣言が出されていない地域もあるのだそうだ。低温と花がないことで必然的に虫が少ないせいか鳥も例年よりとても少なかった。負のスパイラルだ。そんな状況で期待していたシマアオジとの出会いは声と一瞬の姿だけのほぼ不発に終わったものの、コヨシキリ、オオジュリン、ノゴマ、シマセンニュウ、マキノセンニュウなど原生花園で観られるレギュラーの鳥たちには出会えたし、ここでキマユツメナガセキレイに出会うことができた。原生花園=ハマナスが咲き乱れ、山ほどの鳥たちに溢れている...二人のそんなイメージにはほど遠い状況だったものの、一通り楽しんではもらえたようだった。当初の予定ではこの場所でじっくりと撮影に取り組む予定だったが、状況が悪いので一段の計画変更を決め、さらに北へ向かうことにした。何とか暗くなる前に北の最果てに到着し、温泉につかり街の食堂で一杯やって明日へ備えた。エゾセンニュウの声を聴きながら、車中で眠った。


2005年06月16日

最果てのいろいろ

早朝、北の最果ての鳥観をスタート。こちら方面の原生花園も一様に花が咲いていなくて、鳥も少なかった。草原のレギュラー以外ではツメナガセキレイやミサゴを確認。やはり道北へ来るとツメナガセキレイが多いようだ。声とシルエット、飛び方を憶えてしまえば周囲にその存在が意外に多いことが良くわかる。少し撮影をした後はすぐに移動を開始。かつてシマアオジが飛び回っていたポイントを訪ねてみることに。エゾカンゾウはまだまだで観光客も少なめのようだ。木道を歩くとツメナガセキレイが飛んでゆき、ほどなくシマアオジの美しい歌声が聴こえてきた。ノビタキの声が紛らわしいが、声質が若干違うことで聴き分けられる。シマアオジは2羽の♂を確認。写真を撮影するには遠すぎるし陽炎も激しかったが、自分としては3シーズン前の状況を再確認できたようで嬉しかった。その後、いくつかの原生花園を回り、アカエリカイツブリやツメナガセキレイ、アリスイなどを観察。興味深かったのは全体的に花が遅いのに、一箇所だけエゾカンゾウが満開の原生花園があったこと。気象条件なのか土壌の違いなのか、とても不思議に思えた。連日の睡眠不足と長距離移動で一同疲労が出てきたのであまり遠くない場所を選んで宿泊することにした。アオバズクの声を聴きながら車中で眠った。


2005年06月17日

動物相豊かな山

翌朝、疲労を考慮して少しスロースタート。せっかくの休暇なのに漁師みたいな生活をしているので、働いているような気分だ。しかしながら、日も時間も機会も淡々と動き続けていて、待ってはくれない。この日は草原や原生花園ばかりではなく山も観てみましょうということで移動し、ロープウェイで山に上がってみた。大雪山旭岳、天気が良く眺めは絶景!森林限界のハイマツ帯ではホシガラス、カヤクグリ、ウソ、ノゴマ、ギンザンマシコなどを観察することができた。そして特筆すべきは豊かな動物相。この日は時折ナキウサギの声が聴こえる中、オコジョから始まり、エゾシマリス、エゾユキウサギ、ギンギツネなどの四つ足を確認することができた。この地域の植生の豊かさを縮図にして垣間見たような印象だった。一日ゆっくりといろいろを観察した後、一旦BirdBirdさんご夫妻と別れ、一路十勝帯広へ。明日も早いので夜の内にガソリンを満タンにし、お土産まで買い込んで雑用を済ませておいた。


2005年06月18日

最終日も時間をフルに

3:00に起きてフィールドへ。再びbirrrdさん、まささんと合流しオオジシギの7羽編隊の航空ショーや草原性の鳥を楽しんだ。昨晩まで仕事をしていた二人も自分も睡眠不足になりながらのフィールディングだったが、二人はこの後、ナキウサギを観に行って、さらに明日は山へ上がるというからタフだと思う。最もこちらにいれば常に魅力的な被写体が溢れているわけで、そのようなライフスタイルになるのは必然かもしれない。その後、場所を変えてキツツキ類を探した後はランチョ・エルパソでの昼食につきあってくれた。自分は苫小牧に戻ってフェリーに乗らなければならないので二人に暇乞いし、ひたすら車を走らせた。エルパソで好物のイモチャパティを買い、平取でトマトを買い込んでフェリーターミナルへ。苫小牧で再びBirdBirdさん夫妻に合流し、今回の旅の総括などしながら船上の旅を楽しんだ。短い日程だったが、この時期の北海道の良いところをいろいろと観てもらうことができたし、道内の友人たちとの顔合わせもできた。気の合う仲間と旅をし、鳥を観ることは楽しく、ありがたいものだと再確認させられた。