2004年2月7日 旅立ち
大洗港にて
ライフワークとなった北海道への撮影行、冬の陣の旅立ちの
日が来た。この冬は2001年以来の2月に行くことにした。2月
は北海道でも厳冬期で、昨年も小鳥が多かったのと、かつて
シロハヤブサに出会った月でもあり、縁起をかつぐ意味も
込めて選んだ。しかしながら、この冬はまともでなく、暖冬
で雪が多い異常気象で、当地の仲間からの話では小鳥も猛禽
も芳しくないそうだ。それでも北海道は北海道。いつも何か
しらの出会いが待っていてくれる。野鳥や動物もさることな
がら、多くの大切な友との再会が楽しみなのだ。土曜の昼下
がりに東京を離れ、のんびりと高速道路を流して、大洗に着
いた。車は屋根に船を積んでいて高さがあるので、係の人に
かなり後から乗っていただきます、と扱われてしまった。
まあ、船を外すのは面倒だし、外したところで乗せることも
困難なので、素直に従った。実際、1時間ほど待たされて、
乗船できたのは6時過ぎにもなってしまった。いつもの1等B
に入り、持ち込んだ冷蔵庫のビールを飲みながら、ロードオ
ブザリング2のDVDを鑑賞して船上の夜を過ごした。
初めて、船の後ろから乗船させられた

2004年2月8日 苫小牧一泊
コクガン
今回は商船三井フェリーのフリーツアー『マイデザイン北海
道』で申し込んだので、道内のいくつかのホテルを選んで
1泊することができる。しかしながら、事前に日程を考えて
予約しておかなければならないが基本的に十勝に滞在し、
遠征はいつにするかは流れ次第で決められない。結局、到着
の今日、苫小牧で1泊することにした。到着後、苫小牧の
ポイントを回り、コクガンを確認することができた。しか
し、噂に違わず鳥影は少なかった。スズメ、キジバト、ヒヨ
ドリ、シジュウカラ、ハシブトガラ、シマエナガ、コゲラ、
アカゲラ、シメ、ウソ、アカウソ、マヒワ、オナガガモ、
オオハクチョウ、コハクチョウ、コブハクチョウ、コクガ
ン、トビ、オジロワシ、ハシブト、ハシボソの21種のみ。
苫小牧ニューステーションホテルにチェックインし、夜は
少し歩いた居酒屋『鳥亭』で一献。めふん、つぶ焼き、ルイ
ベにザンギなどこっちならではのメニューを懐かしみながら
一杯やった。メニューを見ると日本酒を一升で売っているの
に笑ってしまった。刺身メニューのドナルドソンって何?
コクガンはノビタキと同様、目がつぶれて写る(^_^;

2004年2月9日 十勝帯広へ
群がる釣り人
8時半に演習林へ行き、地元のYさんと合流。ここらでは珍
しいというヨシガモを観たり、アメリカヒドリの♂を観たり
した。霧氷がキラキラと美しい朝は14℃まで冷え込んだ。
今年は苫小牧も鳥が少ないという。港へ行くと、シノリガモ
やらコオリガモやらいたが、平年に比べると少ないらしい。
その後、苫東の発電所の前に行ってビックリ!物凄く人々が
密集して釣りをしていた。何でも苫東発電所から流れ出る暖
かい水に魚が集まるそうで、見ればイワシが入れ食い状態。
でも、北海道なのに、ここまで人々が密集するのは何となく
ふさわしくない光景ではあった。鵡川でししゃもを買って、
十勝へ向かった。スズメ、キジバト、ドバト、シジュウカ
ラ、ヒガラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、ハクセキレイ、
セグロセキレイ、コゲラ、アカゲラ、ヒヨドリ、ムクドリ、
ツグミ、シメ、キレンジャク、イソヒヨドリ、マガモ、カル
ガモ、コガモ、ヨシガモ、アメリカヒドリ、ヒドリガモ、ク
ロガモ、シノリガモ、コオリガモ、スズガモ、ホオジロガ
モ、ミコアイサ、アビ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボ
ウ、トビ、ノスリ、ケアシノスリ、オオタカ、ハイタカ、
オジロワシ、キジ、オオハクチョウ、コハクチョウ、コブハ
クチョウ、アオサギ、ウミネコ、カモメ、セグロカモメ、
オオセグロカモメ、ハシブト、ハシボソの48種。
北海道に人々が密集する光景は似合わない...

2004年2月10日 トラブルあり
-18度の朝、東へ向かっていたら、車のオイル警告灯が点灯、
すぐに消えたので誤作動かなと思ったら、水音計がhotに振り
切れていて、次の交差点でボンネットから白煙が上がったの
で、すぐにパチンコ屋の駐車場に停めて、JAFを呼んだ。車の
下部を覗くと茶色の液体が垂れていて、シャーシもベッタリ
していたので、オイル漏れ!と思った。JAFの人が来て、牽引
でお金がかかるなぁと思ったら、すぐ1km先にトヨタのディー
ラーがあるので、エンジンも冷えているし、自走してみま
しょうと言われ、おっかなびっくり走って自分でドックイ
ン。そのまま、車は入院となった。JAFの宮崎さんというサー
ビスマンはとても親切で、ディーラーに着いた後も、店が開
くまで車の中でどうぞ待って良いですよと暖房の効いた車内
で待たせてくれて、世間話につき合ってくれた。街中とはい
え、氷点下15℃で車のエンジンがかけられない状況は厳しい
が、宮崎さんは費用がかからないように自走を勧めてくれた
上に(4駆は距離に関わらず牽引するだけでまず4000円が必
要)暖かい待機場所を提供してくれたのだ。事故や故障とい
う非日常に直面すると人は不安になるが、このように人間性
のある人に触れると、安心に包まれる。正に身も心も暖まる
気持ちに感謝した。自然観察はできなかったが、冬の北海道
をまた一つ勉強させられた。故障の原因は冷却水の濃度不
足。18℃まで冷え込んで、冷却水が凍ってしまい、沸騰し
たのだ。クーラント交換してもらって解決した。
写真なし

2004年2月11日 十勝にとどまる
マヒワ
雪が多く、鳥が少ないので遠征も考えたが、考えるところが
あって十勝に留まることに決めた。今朝も寒く、出会いの森
へ着くと、23℃だった。雪が多く、スノーシューの出番とな
り、モモンガやフクロウに出会った森を歩き回った。誰かが
入った後を歩く分にはラクチンだが、誰も足を入れていない
場所は柔らかく、足を上げる時に負荷がかかる。まあ、それ
が適度な運動になった。スズメ、キジバト、ドバト、ヒヨド
リ、ムクドリ、ツグミ、シジュウカラ、ヒガラ、ハシブトガ
ラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アカゲラ、コアカゲラ、シマ
エナガ、シメ、ウソ、マヒワ、トビ、ノスリ、ミヤマカケ
ス、ヒレンジャク、キレンジャク、ハシブト、ハシボソの24
種。エゾリス。
マヒワもハシブトガラも生きるのに必死でこちらを
顧みずに樹の実をむさぼる
2004年2月12日 雪多く、観察には厳しい冬
ホオジロガモ
十勝中を一周してみた。山の方に行き、海へ出た。かつて
シロハヤブサやケアシノスリ、オオワシやオジロワシのいた
ポイントは雪深く、小鳥がいず、ネズミも出にくいようで、
必然的に猛禽類は期待できない。正に死の世界といった殺風
景な白い世界をスノーシューを履いて歩くが、やはり鳥影は
皆無。それでも、マヒワの群れがいたり、ホオジロの群れが
いたりして健気に生きる生き物達の息吹を感じた。唯一、崖
の上のハヤブサの存在が十勝らしさをとどめていた。
スズメ、キジバト、ドバト、ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、
ミヤマカケス、シジュウカラ、ヒガラ、ハシブトガラ、
ゴジュウカラ、キバシリ、アカゲラ、ホオジロ、カシラダ
カ、マヒワ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、マガモ、コガ
モ、カルガモ、ヒドリガモ、ホオジロガモ、クロガモ、シノ
リガモ、コハクチョウ、オオハクチョウ、トビ、ノスリ、ハ
ヤブサ、ハシブト、ハシボソの32種。他にエゾリス。
ホオジロガモの求愛は、首を後ろに倒すようだ

2004年2月13日 鳥はいなくとも、友はいる
アカウソ♂
あきらめるなと自分に言い聞かせて、夜明け前に出発。森で
モモンガを探してみたが、スノーシューイングで良い汗を
かいただけだった。それでも、レンジャクspから始まった森
のコーラスはなかなかのもので、珍しい種こそいなかったも
のの、それなりに楽しむことはできた。スズメ、ドバト、
キジバト、ツグミ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヒガラ、ハシ
ブトガラ、ゴジュウカラ、シマエナガ、キバシリ、アカゲ
ラ、マヒワ、カワラヒワ、ウソ、アカウソ、カシラダカ、ハ
クセキレイ、マガモ、コガモ、カルガモ、ヒドリガモ、オナ
ガガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ミコアイサ、カイツブ
リ、コハクチョウ、オオハクチョウ、トビ、オジロワシ、
ハシブト、ハシボソの33種+ミソサザイS、レンジャクspS
夜は地元の友人と鳥幸へ。久しぶりに拝顔した仲間との会話
は弾み、軽く一杯のつもりがあっという間に良い時間に。
鳥も小動物もお目当てだが、何といってもこちらの友人との
再会こそ本当の楽しみだ。忙しい中、集まってくれた多くの
友人に感謝。
他に一緒にいた個体よりも腹部の赤味が強い

2004年2月14日 第一回野生生物保護シンポジウム公聴
シンポジウム風景
友人と共に札幌へ。北海道野生生物保護公社開催の野生動物
保護シンポジウムを公聴してきた。記念講演では世界動物
獣医協会会長のスカリオン氏が講演、基調講演では環境省の
鳥居氏が、講演し、その後休憩を挟んでパネルディスカッ
ションに移った。非常に濃厚な内容だった。私なりに諸問題
をまとめると、住処を失ったシマフクロウの保護増殖、鉛弾
の継続使用によるワシタカ類の中毒死の解決手段、サハリン
での大規模油田・ガス田開発の問題の3つ。どれも解決が難
しく大きな問題である。とても一言では答えを言えないが、
一つには損得より善意で行こうという事、そして、無知を
いきなり責めるのではなく、まず知ってもらおうとする努力
と適当な手段、そして、開発し過ぎた中でのコリドーの形成
というところだ。もちろん、一筋縄では行かない、時間の
かかるものであり、専門家だけでなく市民の関心と参加が
不可欠と思う。私は写真家という立場から参加してゆきた
い。夜は帯広に帰る予定だったが、いろいろな話は盛り上が
り、ついつい時間を過ごす内に電車を乗り過ごして、友人の
友人の家に転がり込ませてもらった。問題意識を強くすると
共に多くの情熱家と語り合う楽しい時間でもあった。
一人一人がマナーを考えれば解決する問題が多い

2004年2月15日 帰帯
トマム駅
朝起きて、一宿のお礼代わりにけんさきで玄関階段の雪掻き
を手伝った。当たり前の労働は、当たり前の助け合いのほん
の一部に過ぎない。雨の札幌でヨドバシカメラなど覗き、駅
ビルでラーメンを食べて友人と別れた。その後、切符を買っ
て12:45札幌発のとかち5号に乗った。車内では昨日、シンポ
ジウム会場で求めたモーリーの2,3,4号のバックナンバーを
読み漁り、昨日のシンポジウムと共通のオピニオンを見つけ
ては頷いていた。3時間弱かけて帯広へ到着すると、わざわざ
義父が送迎に来てくれていて、頭が下がった。積雪の予報に
うんざりしていたが、帯広も雨だったそうで、懸念された雪
はほとんど変わらない根雪だった。帰宅後、十勝川温泉へ。
わざわざ旭川から遊びに来てくれたK師匠と再会。音更の
木野温泉に入った。600円の天然温泉は周辺では割安。夜は
義父、K師匠のネイティブな北海道の昔話に感銘を受けた。
友人の勧めもあり、明日からの東方遠征の準備をした。

2004年2月16日 孤独な出会い
エゾシカの集団
朝、師匠に合流してハクチョウを待つ。しかしながら、今朝
は曇っていて朝焼けにはならなく、撮影はできなかった。
再会を約束し、東へ。今回はちょっと寒そうな車中泊となる
ので、少しの覚悟を持参。しかし、一方では折角買い込んだ
車中泊グッズ各種を使わなきゃ勿体ないという意識もあっ
た。帯広から200km以上、それなりの観察もあったが、お目当
ての白い鳥は見つからず。ついに東の果てまで辿り着いてし
まった。いつものポイントへ入ると湖は結氷しておらず、
ハクチョウが浮かんでいて、ピークは万を数えるエゾシカは
狭い道の左右にびっしりいた。車をゆっくりと走らせ、かな
り慎重に小鳥の群れを探すが、見当たらず。その内にエゾシ
カの群れが固まっている光景に出会い、これで夕陽があたっ
ていたら最高なのにと思いつつ、シャッターを切りまくっ
た。お目当てについては、いくら走っても見つからないの
で、見当をつけた辺りに車を停めて待つが、一向に現れる
気配がない。その内に日が暮れてきたので、ゆっくりと引き
上げることに。その帰路に一羽の小鳥が...あの飛び方、
模様!双眼鏡を覗くと...その鳥はそこに何気なくいた。
ユキホオジロの雄、冬の北海道で追い求めたお目当ての野鳥
の一つだった。昨年は群れがいたものの、警戒心が強いのか
ゆっくりと車で近づいてもすぐに飛び去ってしまう状況だっ
た。ところが、このやつは警戒心が少し薄いのか、少し近づ
いて写真を撮ることができた。たった1羽の孤独なユキホオ
ジロ。それを眺めるたった一人の孤独な自分。夜、しんしん
と冷えて来る車内でサッポロクラシックを呑んだ後、寝袋に
入りながら、今日の出会いを思い返す。
闇夜に聴こえる風の音、ハクチョウたちの声。
ボクハイマホッカイドウニイル。
ユキホオジロ
やっと、がっちりと出会えた
2004年2月17日 北海道らしい出会い
コミミ
前夜、車内が冷えて寝袋に潜り込まざるをえず、20:00前に
就寝。寝るのが早かったせいか、23:00,3:00,5:00に目覚め
た。-35℃対応の寝袋は汗ばむ暑さで上に重ねていた寝袋を
夜中にはいだ。ケータイの目覚ましと共にエンジンをかけ、
着替えた。早く動いたので、明るくなる頃にポイントへ到
着。早速、ユキホオジロの群れを探すべくゆっくりと車を
走らせた。すると、昨日の出会いの場所あたりに昨日と同じ
個体と思われる雄を見つける。やはり孤独に行動している。
今朝も孤独な自分と同じだ。どうにも群れは見当たらない
が、その代わりにコミミが飛んでいた。昨日、風が強かった
ので飛べずにいて、お腹が空いていたのかも知れない。少し
写真を撮らせてもらったら、眠りに入ったので、邪魔をして
はまずい、とそっと放っておいた。カメラマンの中には無理
矢理、被写体である鳥を脅かして、眠って閉じている目を開け
させたり、飛翔撮影のために脅かして飛ばしたりする輩もいる
が、人間性のない所業であり、行動をわきまえるべきである。
とにかく、就寝した彼から離れ、車を走らせるがユキホオジロ
は見つからず、行き止まりで折り返す。するとカラスにモビ
ングしされて、先ほどのコミミが飛び回っていた。こうなる
と、のんびりと休んでいられないようだった。これはこれ
で、多少の写真を撮影した。結局、待っていたユキホオジロ
の群れは見当たらなかったが、その代わりなのかツメナガホ
オジロの群れを見つけた。天気が悪くなりそうなので、帰帯
することにし、西へ向かった。途中、立ち寄った場所でコミ
ミ2、ハヤブサハイチュウ♀を見かけたが、この地でも心ない
カメラマンがコミミを追いかけ回したらしく、評判が悪い。
私は白の写真家を標榜しているので、誤解され、黒いカメラ
マンと一緒にされては困るので、写真機は握らなかった。
帰路、厚岸でかきめしを購入して食べてみたが、これはご飯
が少し甘過ぎるようだ。白糠を抜け、雪のちらつく中を帯広
へ戻った。天候のせいで遠征は一日限りとなったが、やっと
冬の北海道らしい観察ができた。疲れた...
ツメナガホオジロ
これまた、がっちりと出会えた

2004年2月18日 グリーンベルト
帯広市空撮
朝、雪だというので久しぶりに寝坊したが、窓の外は晴れて
いて、慌てて出陣。今日はこっちに来て会っていない知己に
会いに行くことにした。まず、たいしたお世話になっている
帯広百年記念館の池田さんの多忙な時間を拝借。近くのイン
ド料理屋でカレーのランチを共に。こっちだら、まず営業し
ていないような内容を提供している良い店だった。その池田
さんに提供していただいた写真は帯広市周辺の空撮写真。
野方図な開発型公共事業はじわじわとこの街の自然林を蝕ん
でいて、このまま放置すればコアカゲラもエゾモモンガも危
うい状況が予想される。私は東京者なのだが、この地へ通っ
て7年目。今までの素晴らしい出会いに対して恩返しするべく
都市計画に外部からの視点で意見書を提出するなどのできる
ことを還元している。環境アセスはとかく希少種保護という
点に偏りがちで、しかも繁殖地への影響しか考えていない
ケースが多い。しかし、肝心なのは繁殖地を含めた周辺の
環境の保全である。いくら巣への影響を軽減しても、餌場を
壊してしまっては、結局は生きてゆけないということは常識
的なことである。そこで、注目されるのはコリドー(緑の回
廊)である。一般にはグリーンベルトといわれる鳥類や哺乳
類の行き来している緑のつながりこそ、生物多様性を支えて
いる環境である。その上で、周辺環境を把握する上で真俯瞰
した写真は非常に重要な資料となる。提供の写真は平成元年
のものなので、今はすっかり変わっている箇所も多く、現状
を正確に把握することはできないが、ある程度の状況は判る。
それでも、今後の開発の是非を考える上では、やはり最新の
それが必要であり、つきあいのあるプロ写真家にもお願いし
て、資料を得たいと思っている。
午後は地元の芸術家、テルアキさんにお会いし、『ラブバー
ド』を購入。いろいろな種類があって迷ったが、今回のキーに
なったユキホオジロを選んだ。この『ラブバード』素敵なミニ
バードカービングブローチとでも言うべき芸術作品で、帽子に
とまらせてもよし、胸にとまらせてもよしの逸品。
近々リンクするので、愛鳥家は要注目!

2004年2月19日 霧氷の中で
霧氷のオオマシコ
温暖化の影響なのか、2月というのに異様に暖かく、積雪が多
い十勝だが、今朝は大したしばれた。河原へ出ると、外気温は
マイナス23℃。やっと2月の帯広らしい『しばれ』の朝を迎え
た。川霧がもうもうと立ち、木々が真っ白に霧氷する中、意外
な場所に赤い鳥の群れがいた。街中で何やってんだべと思い
ながら接近を検討する。ところが、彼らがとまっている場所は
だだ広い空き地のど真ん中で道がないようだし、市街地で交通
量もあるここに車を停めることもできない。順光側に回るのを
兼ねて、その周囲を一周。結果、工事現場が最も近いアプロー
チだった。工事の邪魔をしないように車をとめ、目標を見定め
双眼鏡を覗く。最初はベニマシコと思ったが、オオマシコだっ
た。いざ、匍匐前進!も、雪にズボッと埋もれる。車に戻り、
今回大活躍のスノーシューを取り出し、再び匍匐。彼らは早朝
で動きが鈍いのか、餌に夢中なのか、脅かさないようゆるりと
アプローチすると逃げずに厳しい真冬に生きる姿を見せてくれ
た。オオマシコの美しい紅色は、厳しくも美しい白い霧氷の中
に咲く雪の華のようだった。その後、工事のダンプが轟音を立
てて来たら、飛び去ってしまったが、スズメ3を含めて約30の
比較的大きな群れだった。午後は駒畠の百笑庵へ蕎麦を食べに
出かけ、久しぶりにお会いする純子さん宅にお邪魔し、楽しい
時間を過ごした。帰りには丹精したながいもと生の牛乳を持た
せてもらい、頭が下がる思いで帰路に。

2004年2月20日 生涯忘れ得ぬ日
オオマシコ再び
少し遅れて太陽さんがすっかり昇った明るい朝に出会い
の森へ到着。マイナス19℃は昨日よりも若干暖かいもの
の、まずまず2月の帯広らしかった。川のほとりに出てびっ
くり!いきなりベニマシコ!の群れがいた。一般論として
は北海道の夏鳥で、このシーズンはいないことになってい
る。ただ、図鑑を良く読むと、少数が残るそうで、これはそ
の越冬群ということだ。その後、我が友と合流し、南へ。
ミヤマホオジロ雄、ハイタカ雄などまずまず良い観察をし
ながら目的地へ向かった。その道すがら、車が停まった。
友が何かを見つけたのだった。ん?あれ!何これ!?フ
ァインダー越しに拡大されたそれは見たこともない種類だ
った。後で調べて判ったそれはなんとヨーロッパコマドリ!
十勝最後の日、我が友との鳥見納めの日に素晴らしい
出会いがあったのだ。人家もない山の中での再発見は
困難と判断し、不要な混乱や対象への悪影響の懸念が
ない以上、少しでも多くの道内の人に身近な自然の面
白さを伝えたく思い、この興味深い出会いをすぐに新聞
発表することに決めた。そして、2月22日付の北海道新
聞全道版に掲載された。その後もオオマシコの群れには
当たるわで、とても充実した鳥見となった。前半はボロボ
ロでほとんど絶望に包まれていたが、鹿児島の友の励ま
し(予言?)通り、最後に大当たりの大逆転があった。
この素晴らしい一日は生涯忘れられない日となった。
ヨーロッパコマドリ

2004年2月21日 朝、森を歩き、午後、東京へ
やはりシマエナガ
朝、マイナス9℃。ここ2日よりも遥かに暖かいが、疲れも出て
きたのか、起きるのがツライ。考えてみれば、道内へ入って
以来、連日5:30前後の起床が続いていたのだった。長い休暇で
いいねえという声が多いが、連日のように日常の仕事の日々より
も早起きをしているという事実を知れば驚き、首を傾げるに違い
ない。
朝、出会いの森に昨日見かけた越冬ベニマシコを探し、その後、
出かける前に駆けつけてくれた友と再会を約束して別れた。
8:00になったので、土曜日恒例のおべりべりのお散歩会に参加。
鳥は少なく、あまりガイドはできなかったが、それでもエゾリス
を観察したり、目の前にシマエナガが来たりとそれなりに楽しむ
ことができた。参加者は4名。その内二人がスノーシューを持っ
ていなかった。ズボズボ状態が見ていてツラそうだったので、
皆が片足のみスノーシューというシフトを考えた。ところが、
これが意外にツラかった。履いている足は沈まないのだが、もう
片足が沈むと、沈まない方の膝に負担がかかるのだ。昼近くなっ
たので、お世話になった皆に暇乞いし、苫小牧へ向かった。行き
同様、車の高さがあるので乗船は最後の最後になった。乗船後、
連れ合いの両親に持たせてもらったご馳走をいただきながら、
一杯やった。長かった今回の旅もこれで終わり、また東京での忙
しい日常に戻る。共に時間を過ごさせていただいた多くの人々に
深く感謝したい。深い満足感に包まれる、記念すべき旅だった。