2004年12月23日 出発
出航前
北海道行脚冬の陣を迎えた。今回は年末年始
の時期を選んだ。前シーズン2月の状況が厳しか
ったので、ドカ雪が降る前に攻めるつもりだった。
しかし、12月に入ると何回もドカ雪が降り、結局
状況はあまり変わらないようだ。でも、落胆も悲観
もしない。なにかしら出会いはあるだろうし、友との
再会が何より楽しみだ。前回に続いて港まで見
送りに来てくれた友に暇乞いし、乗船を待った。
激励のメールをくれるこちらの友、歓迎のメールをく
れる北の友、多くの友に囲まれる私は果報者だ。
さて、少し風邪気味だけど、ちょっとやりますか!

2004年12月24日 猛禽祭り
コミミズク
昨晩、ぼんぼちをつまみながらdaiさんと遅くまで呑
んでしまったが、なぜかぱっちり目が覚めて日の出
前に撮影ポイントへ入った。しかしながら、そこは
曇っていて雪が降ってくる有様で、朝日は拝めな
かった。いろいろを探しにあちこち移動するが、ドカ
雪のせいか鳥の影は薄い。苦戦を覚悟して郊外
へ移動、これが当たりでオオワシ、オジロワシ、ハイ
タカ、コチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒ、チュウヒ大
陸型、コミミズク数羽が出現し、大いに楽しませて
くれた。お付き合いいただいたdaiさんに暇乞いし、
浦河へ。極上のシャンパーニュを持って我が友の
家へお邪魔した。楽しいイブの夜が更けていった

2004年12月25日 暖冬とドカ雪の脅威
夕焼けと丹頂
我が友と共に道東方面へ。各地を回り、徹底的
にチェックするが、根雪が多く、小鳥もそれを喰らう
猛禽も非常に少ない悲劇的な状況だった。本来
冬場は良く晴れて雪の少ない、そのかわりとても
寒い道東なのが、ここ数年気温が高めで積雪量
が非常に多い、という状況が続いている。特に12
月のドカ雪がクリティカルで、越冬する冬鳥が渡来
する時期に深い根雪があれば、餌が採れず逗留
することができない。小鳥がいなければ猛禽類も
逗留できない、という図式で、雪が融けるまでは
まるで死の世界のような無機質な光景がそこにあ
るだけとなる。地球温暖化はこういう部分にも悪
影響している。

2004年12月26日 ダイヤモンドダスト
ダイヤモンダスト
久しぶりにホームに帰ってきた。内地から来道する
友人のために探鳥ポイントを総チェックする一日。
苫小牧のdaiさんが来帯し、合流して一緒に回っ
た。朝、白鳥が朝日をバックに飛ぶ(はずだった)
ポイントは車載の温度計で20℃(もちマイナス)。
せいぜい10℃という想定で来ていた私を大いに驚
かせた。暖冬とはいえ、やはり十勝はしばれる。
手袋をはいていても指先が痛いし、風が穏やかで
も否応なく冷気が顔を叩く。その逆境にいる見返り
は...ダイヤモンドダストだった。霧氷で真っ白に
染まった白い世界に降り注ぐそれは雪の華だ。総
チェックした結果は極めて厳しいもので、暖冬とドカ
雪の厳しさをあらためて思い知らされた。

2004年12月27日 シマエナガ
シマエナガ
特に変わった被写体が見当たらない十勝、それで
も何か出会いはあるだろうという希望を持って前へ
進む。スノーシューをはき、積雪の多い出会いの森
へ。生き物の気配は非常に希薄で、超無駄道路
の高規格道路を稀に走るトラックの音以外は静寂
そのもの。この静けさを独占できるのがこの地の良
いところだ。雪は重く、深く、スノーシューをはいてい
てもとても歩くのがしんどいが、車での移動が多い
中で、これは適度な運動になる。ゴジュウカラ、コゲ
ラ、それ以外生き物の気配なし。運動しに来ただ
けか...落胆した瞬間、笛の声が。一羽だけだが
今冬もウソが来ていた。1時間半ほど歩いて写真
はなかった。その後、シマエナガを良く撮影した場
所へ行ってみると、30羽ほどの群れがいてあらため
て可愛さを再確認すると共に、行動のユニークさを
至近距離、目線でじっくりと観察できた。

2004年12月28日 hisaさん来道
カワラヒワ
再び20℃のしばれの朝、霧氷の中に1羽のカワラヒ
ワを見つけた。2月にはオオマシコの群れが同じよう
に凍った種子をついばんでいたっけ。ハンドルを南へ
切った。今日は東京から友人hisaさんが来道の日。
愛すべき2羽のフクロウがたたずむ場所で待ち合わ
せた。daiさんがhisaさんをアテンドしてくれ、そこで交
代となった。daiさんには友人の分までお世話になり
っぱなしで頭が下がるばかりだ。その後、コミミズク舞
う雪原でBirdさんと合流し、暗くなってきたので呑む
ことになった。こうして東京から数百キロ離れた場所
で顔を会わせて一献やるのもオツなものだ。

2004年12月29日 雪道運転トレーニングとスズメ
スズメ
今度は雪景色のフクロウを撮りたいということで、少
し遠方まで足を延ばした。北海道の太平洋側と日
本海側の気候の違い、積雪量の違いは理解して
いたが、雪の多い地域を運転してみると、その恐ろ
しさを身をもって味わうことができた。シフトはほとんど
2から動かせず、前を走る車と大きく車間距離を取
る。ブレーキを踏むよりもエンジンブレーキを多用する
。やっとの思いでたどり着いたにも関わらず、フクロウ
は不在で、雪景色のスズメを撮影。まあ、こんな時
もあるさと淡々と時間を過ごす。夜は札幌にこちらの
お仲間が集まってくれて忘年会。楽しい酒宴の後は
すすきのラーメン横丁のでびっとでラーメン。当たり!

2004年12月30日 オオアカゲラ
オオアカゲラ
鳥の少なさにもめげず、あちこち走り回って探求。
今朝はなんとなく鳥が多いなぁという印象で雪に埋
もれたフィールドを歩いていると、コツコツ音がして観
てみるとオオアカゲラの♀だった。やっと北海道らしい
出会いがあったねぇとhisaさんと笑いあう。その後も
ヒワsp、ウソspが林の上空を飛び回っている声がし
たし、カラ類も数が多く感じられた。午後は再びコミ
ミズク舞う雪原へ。昨晩の忘年会メンバーに、daiさ
んも駆けつけてくれて、4羽のコミミズクを眺めていた
。再びdaiさんにhisaさんをお願いし、浦河の我が友
の家へ。ご両親が見えていて、牡丹鍋をご馳走に
なってしまった。楽しい時間が流れた。

2004年12月31日 キツネジャンプ!
キタキツネ
暮れも大詰めの大晦日、我が友と別れ再び十勝へ
。もちろん、その道中では徹底的に探鳥。オオワシ、
オジロワシは比較的に良く見かける。幼鳥が多い印
象がある。小鳥の類は、カラ類とキクイタダキ、ミソサ
ザイくらい。他にはヒヨドリ、ツグミ、カケスなどがいる
程度で、やはり北海道の冬の鳥は少ないようだ。
道中、キタキツネが目立ち、7匹確認。その内の6匹
は立派な体躯で、尻尾もふさふさの野生ものだった
。純粋な野生だけあって、私の車に寄ってくることは
なく、雪原で鼻を利かせて獲物を探し、キツネジャン
プを見せていた。夜は極上のシャンパンを呑みなが
らタラバガニをいただき、2004年を締めくくった。

2005年1月1日 鳥観初め
オジロワシ
全国的に大荒れとの予報を信じ、寝坊したものの起
きてみたら十勝晴れだった。出遅れた!とすっかり
やる気を失いつつも、近所をパトロール。車を走らせ
て1分でオジロワシを発見。ここはお気に入りの止まり
木のようだ。2005年初観の鳥はこれになった。今年
は猛禽類で何か面白いことが起きるのだろうか。冬の
小鳥が相変わらず見つからないので、すぐに家に戻り
、富山一乃松から取り寄せたおせちを食べながらおと
そを呑み、一日中ゴロゴロして過ごした。被写体に
恵まれない時は焦らずにどんと腰を据えて構えるべし
、そんな師匠の言葉を思い出した。

2005年1月2日 シマエナガ撮影と十勝特産の啄木鳥
コアカゲラ
街外れに出るとマイナス23℃。しまった!車の中に置
き忘れた飲みかけのスターバックスラテががっちりしばれ
ている...
冬の小鳥が難しいのならばと徹底的にシマエナガを
撮影することにして郊外へ。ここには30ほどの群れが
いついていて、広い範囲を巡回している。群れが林
の中にいる時は高木が多いので撮影が難しいが、林
縁に出てきた時や隣接する市街に出てくるとかなり
低い位置にとまることがあり、撮影のチャンスとなる。
それでも、彼らの動きは素早いし(キクイタダキほどで
はないが)、他人の家の敷地に入ったり、レンズを向
けるのはマナー違反なので自粛。チャンスは少ない。
脅かさないようフードは外し、機動性を高めるために
一脚を使用。近年は雪が多いので一本脚と自分の
二本足にスノーシューを装着。露出を決めておき、ピ
ントが合うやいなやシャッターを切る。構図も光もあっ
たものではない。一枚でも当たりがあれば、という姿
勢で臨む。群れの動きを掴むことが重要で、追うより
も先回りして待つ方が成功する。慣れてくると動きが
読めてくるようになる。この日はカラ類の群れの中に
コアカゲラを見つけて嬉しかった。十勝特産と言っても
過言ではないこの啄木鳥に冬場に出会うのは稀な
ので、かなり運が良いと言える。近年は減少傾向にあ
り、探しても見つからず、意識していないとたまに見か
けることがある不思議なキツツキだ。

2005年1月3日 異常な天候
ミヤマホオジロ
エンジンが暖まるのを待ちながら今朝は何だかそんな
に寒くないなぁと思い、ふと車載の温度計を見ると0
度だった。少し車を走らせてしばらくすると、なんとプラ
ス3℃に!ほえぇ、昨日は23℃まで冷えていたのに、
この落差は一体なんなんだろう!?この異常ともいえる
暖かさで道端の雪もかなり融けてきて、地面が露出
した箇所に小鳥が集まっていた。カラ類が多かったが
ミヤマホオジロの一団を見つけ、少しだけ撮影。あち
こち車を走らせている内に、気づくとJさんのお宅近く
まで来ていたので、お邪魔してお話させていただいた
。その後、比較的に観やすいというゴマフアザラシを
観にいったがフラれた。雨模様だったので、港でシノリ
ガモを撮影して引き上げた。帰途、コミミズクを探す
がノスリばかりで見つからなかった。

2005年1月4日 2004-2005冬の陣総括
シマエナガ
今朝も暖かかった。しかし、物凄く危険だった。昨日
溶けた雪が凍り、歩道も車道もスケートリンク状態。4
駆もBSのスタッドレスもなにもなく、どんな車でも止まら
ない状況。慎重に運転したものの、右左折で止まり
切れなかったり、尻を振ること数回、ABS作動は限り
なし。天気がぱっとしないこともあり、最終日の撮影は
断念した。これから苫小牧まで移動し船に乗り、また
東京に戻るのだと思うと面倒になってくるが是非もない
。今回もまた多くの友に再会し、出会い、お付き合い
いただき、お世話になってしまった。来るたびに次に来
るのがどんどん楽しみになってくるのは多くの友人たち
のおかげに他ならない。冬の小鳥は低調だったし暖冬
と積雪の多さが気になるが、当たり外れは鳥屋の常。
外れの積み重ねから学ぶことも多く、次につながってくる
ものだ。